わかさぎ釣りも一休止したので、次の釣りの間まで、またニジマスの燻製を作ってみようかと思い、作り方などを再度まとめてみました。
基本的にテキストにしているのは、約30年前に出版された『燻製工房』(平凡社)(写真)です。今でもAmazonで690円から2160円までの古書として購入できるようです。
1 道具
(1)スモーカー他
昔はダンボールでスモーカーを自作していたのですが、一昨年に段プラのスモーカーを自作して使っています。初期のものと比較して、燃焼室を新たに付け加えたところが違っています。燃焼室を別に作らないと魚の脂が落ちて、あまりよろしくない煙が立ち上ってしまいます。
ただ、燻製の出来は段ボールスモーカーの方がいい感じです。燻煙をかけている最中に魚から出る水分を段ボールがうまく吸収してくれるようです。段プラは水分を吸収しない分、出来が今一つのような気がするので、改良しようかと思っています。
他に、スモーカーの中で使う部品として、魚を掛けるフックや燻煙材を乗せるスチール製の皿が必要となっています。
(2)サーモスタットと電熱器
スモーカー内を一定の温度に保つため、サーモスタットと電熱器は必須の道具です。ニジマスの燻製は温燻で作るので、設定温度は70度です。初期の段ボールスモーカーは小型でしたので、真冬でも600W電熱コンロで目的の温度をキープできましたが、新たに作ったスモーカーは大きいため、真冬用に1200Wまで出力可能な電熱コンロを買い足しました。写真は私が使っているアールテック製の新型サーモスタットです。
→アールテック製サーモスタット販売ページ
(3)温度計
スモーカー内の温度をきちんと管理するために、燻製用の棒状温度計を使います。スモーカー内の魚が掛けてある付近に差し込んで使います。サーモスタットを使っても、温度の上下はあるので、正確な温度管理はこちらを見てやります。
(4)燻煙材
チップタイプのものから線香タイプのものまで、いろいろ出ていますが、進誠産業のスモークウッドを使っています。一度火を点けるとだいたい4時間位は持つのでとても重宝しています。材の種類には、サクラやクルミ、ナラ、リンゴなど色々ありますが、私はヒッコリーを使っています。
2 材料
(1)ニジマス
一度に32匹が燻製できるような大きさのスモーカーですが、通常作る分には、中型サイズのもの20匹程度を準備し、内臓とエラ、血合いを取り去っておきます。
(2)ソミュール液
燻製にする前に一晩浸す塩水で、以下の材料を使います。
水7リットル、塩1.8kg(約25%食塩水)、三温糖180g、黒胡椒小さじ1、白胡椒小さじ1、セージ小さじ1、オールスパイス小さじ1、ローリエ3枚。セージは、スーパーでも手に入りずらいので、なくとも何とかなります。
スパイス類は、小鍋に入れて、少量の水で1分程度沸騰させてから使います。
3 作り方
(1)塩蔵
ニジマスをソミュール液に漬けて、だいたい15~17時間位置きます。ビニールに入れて空気を抜いておくと、うまく漬け込めます。
(2)塩抜き
ニジマスを良く洗ってから、バケツ等に入れ、少量の流水で塩抜きをします。だいたい目安は45分位にしていますが、魚をかじってみて、少し甘い位で丁度良いです。ここが味付けのキモの部分で、塩分が濃すぎるとしょっぱすぎる燻製になり、薄すぎるとぼやけた味になります。
一番気をつけるべきポイントの箇所です。
(3)乾燥
1~2時間位、スモーカーに入れて乾燥させます。濡れたままだと煙の付きが良くなくなります。煙をかける前に必要な作業です。ニジマスの腹の部分は煙が掛かりにくいので、2か所を楊枝で止めて開いておきます。
(4)スモーク
6時間を目処に、煙でいぶします。最初の1時間は、熱源を使わす、上部も開け気味にしてゆっくり煙をかけます。次の1時間で、徐々に温度を上げ目標の70度とします。
それからは、あと4時間70度をキープします。それ以上、温度が上がってしまうと煙をかけた焼き魚状態になってしまいますし、時間をかけすぎると、煙の渋みが強い燻製になってしまいます。写真は、旧段ボールスモーカーで作っているところです。
(5)完成
皮が簡単に外れ、くすんだサクラ色をした身になっていれば成功です。作ったその日にいただくよりも一晩おいていただいた方が、ずっと美味しくいただけます。
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