北米の氷上釣り用キューブ型テント

 私が氷上釣りで使っている、北米のキューブ型テントについて、簡単にご紹介したいと思います。

 日本の氷上釣り用のテントは、上部1カ所が開く傘タイプのものが主流で、地域によってこれにカタツムリタイプのものが加わると思います。

 対して、北米では、このキューブ型のテントとソリが一体型になったあちら版のカタツムリテント(写真)の2種類が主流となっています。

1 構造

 キューブ型テントは、基本的に周囲4面と上1面の5面からなるパネルを広げて使う構造になっています。下面があれば、そのままサイコロのような六面体になります。

各面を引っ張り出す構造のため、風を受ける面は、1箇所につき、4面となります。単純な4角テントよりも風を受ける面が分散され、耐風性が高まっています。

 骨組みはスチールの頑丈なものから、軽量のグラスファイバーまであるようです。

 また、これも日本のテントと違っている点で、断熱仕様の布が使われているモデルもあります。

カナダの方とお話した際に、そこは、日中の最高気温が氷点下20度だよと言っていました。そのような場所で薄い生地のテントで釣りをしたら、大変なことになりそうです。

 様々な大きさがあり、小さいもので一辺が60インチ(約150cm)、大きいもので約9フィート(約270cm)あります。私のは一番小型の60インチサイズです。

最近では、床面積を広くしたタイプのものも出ています。多人数対応では、2連結構造をもつタイプ(写真)もあります。

2 組み立て方

 各面の先端に金具が付いており、それを引っ張り出して面を作っていきます。斜めにしたりしなければ、比較的簡単に引っ張りだせます。

 各面が出たら、先端金具かそこから出ている紐に固定用のロープを取付け、湖面に固定すれば、完成です。設営時間自体は、日本のテントと変わらないと思います。固定には、前におすすめしたMSRのブリザードステークを雪または氷に埋め込んで使う方法をおすすめします。

3 使用感

 一番の特徴は、高さがあり、内部空間が広く取れることです。日本での氷上釣りは床に座ってしますが、あちらでは、通常イスに座って釣りをします。このスタイルの違いがテントの形状に表れていると思います。

 私が使ってみた印象は、風に極めて強く、広く暖かいでした。

 構造が簡単で頑丈な分、きちんと4か所に張り綱を張れば、おそらく氷上最強の耐風性能を持っていると思います。張る時に少し難儀しますが、強風時の不安は全くありませんでした。

 また、中は広くて快適で、断熱布を使ったテントは結露も全くなく、とても暖かに過ごせました。外が氷点下5度以下でも中は20度でヌクヌクできます。

 内部の写真では、布の感じがわかるかと思います。ただ、雨には弱く、布の継ぎ目から雨がしみ込んできたので、継ぎ目を防水処理しています。

 重さは、頑丈な骨組みと厚手の布を使っている分、日本のものと比較するとかなり重いです。スノーモービル等で牽引すれば問題ないですが、徒歩釣行だと大型のものはきついかも知れません。

 私の使っている一番小さな60インチクラスなら、なんとか大丈夫です。

4 メーカー種類

 北米の主要な釣り具メーカーのものの他に、同じ形ものがたくさん出ています。中には日本でも手に入るものもあります。ここでは、主要釣り具メーカーのものをご紹介します。

(1)FRABILL

 私の使っている釣り具の総合メーカーで、複数の種類のものが出ています。コンセプトカラーは黒です。
→製品紹介のページへ

(2)ESKIMO

 特に、アイスフィッシングの製品群が充実したメーカーで、日本でも輸入販売で入手可能なモデルです。コンセプトカラーは赤です。
→製品紹介のページ

(3)CLAM

 こちらも、アイスフィッシングの製品群が充実したメーカーで、コンセプトカラーは青です。
→製品紹介のページ

 日本のAmazonでも、ESKIMOとCLAMのテントを取り扱っているようです。
→日本で購入できる北米のキューブテント

 重さはありますが、人とは変わったテントを使ってみたい方におすすめのテントです。暖かさと居住性、耐風性は抜群だと思います。

 下の動画は3月2日のキューブ型テント設営の様子です。ご参考ください。

6 件のコメント

  • 初めまして、ZEROと申します。
    ネットサーフィンで、にるばなさんのブログを見付けコメントしに来ました。
    北海道で氷上ワカサギ釣りを毎年楽しんでいます。
    これまでは自作の釣り小屋での釣行でしたが、寄る年波には勝てぬで設置撤収時にかなり苦労するようになり、
    そろそろテントでの釣行と考えていてテントは皆が使っているテントとは違うEskimo Quickfishの2を購入しようかなと思っています。
    そこで質問なのですが、にるばなさんの使っているFRABILLの黒いテントの室内は暗くはないですか?
    黒いテントなので暗いのではと思ったのですが、中でLEDランプなど使っているのですか?
    宜しければお時間のある時にでもお答え頂ければ嬉しいです。
    これからもブログ拝見しに来ます。
     

    • ZEROさん、はじめまして
      ブログ、お読みいただいて、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

      キューブ型テントとても使いやすくて気に入っています。
      私のFrabillは黒い生地ですが窓を完全に閉めなければ、日中は明かり無しでも十分明るいです。また、生地が厚く少し重いですが、断熱仕様なのでとても暖かいです。
      北海道でお使いなら、断然断熱タイプをおすすめします。

      • こんにちは。
        早速、質問のお答えありがとう御座います。
        日中はランタンなどの灯りが無くても大丈夫ですか。
        キューブ型の海外製テントを調べてみると色んな色の物や窓の形違いなど沢山あるんですね。
        価格もまちまちで、どれにしたらよいか迷いますが、にるばなさんのアドバイスを活かし、
        どれにするかしっかり考えたいと思います。

        • ZEROさん、

          日中は、悪天候で野外自体が薄暗い時は、やはりランタンの明かりが必要だと思います。また、このテントは内部でLED照明を使うことも想定して作られており、専用の照明も同じFrabillから販売されています。

          キューブ型テントは、いろいろなメーカーから出ていて、ホント品物を見ているだけでもたのしいです。アイスフィッシング大手だと、エスキモー、Frabill,clamあたりでしょうか。
          エスキモーのテントは、桧原湖でもたまに見かけます。Frabillは人と全く被らないところも大変気に入っています。

  • 注文していた海外発送のGoplusポータブルアイスシェルターが約4週間程度で届きました。
    一応、張ってみましたが思っていた通りの物でした。
    にるばなさんの言うように普通に使うなら灯りは要らないかも知れませんが外が薄暗い時にはランタンが必要みたいですね。
    使うのは来年になるけれど今から使うのが楽しみです。
    にるばなさんのアドバイス、本当に参考になりました。

    • ZEROさん、アイスシェルター届いて良かったです。
      Goplusのシェルターも鮮やかな色でかっこいいですね!氷上で大いに活躍してくれると思います。

      私は、今日宮城県の資料館でやっているパンニングの練習に行ってきました。(別稿でUPします)
      あわててゆすると砂金も砂と一緒に流れてしまい、じっくり少しずつゆする必要があると感じました。砂鉄の間にキラリと光る砂金を見つけるととても嬉しかったです。

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