前に初心者向けのお話でテントの選び方についてご紹介しましたが、再度2020年シーズンの最新モデルについて記載してみたいと思います。
1 テント選びのポイント
(1)使用人数は?
先ず、どのような人数での釣行が多いのかによって、選ぶテントが全く変わってきます。単独行で大型テントを持っていったら、設営自体が大変ですし、大人数では小さなテントに入りきれません。
ほぼ単独行のみなら1人におすすめのテント、たまに2~3人で釣行なら2~3人におすすめのテントの購入をおすすめします。テントの写真に釣り座のシュミレーションを入れたので、ご参考ください。
(2)風に強いか?
氷上釣りが出来る季節は、真冬の季節風が強く吹く時期で、湖上ではかなりの風に見舞われることもあります。
そこで重要なのは、耐風性能で、テントを構成する面が多く球形に近い程その性能は高まります。こちらで紹介するテントの中では、8角ドーム型>6角ドーム型>4角キューブ型の順で耐風性能は高いです。写真は、吹雪の中に立つプロックスの8角ドームテントです。
ただ、張綱をしっかりしないと、どんなテントでも飛ばされてしまいますので、そこは気をつける点です。ペグについては5項目で詳細を説明します。
(3)雨に強いか?
氷上釣りの季節でも、気圧配置によっては冷たい雨が降ることがあります。ここで、耐水圧の低いテントだとテント内に雨漏りがしてくる事態になります。
テント生地で雨に耐えられる標準の耐水圧は1500mmですので、それ以上の耐水圧を持っているテントであれば、雨天時にも不快な思いをしなくて済みます。耐水圧が800mmクラステントでの雨天時釣行は、かなり辛いことになりそうです。
(4)居住性と換気性は?
居住性は、テントの壁面が立っている方が内部の有効面積が広くなります。ドーム型のテントでもこちらで紹介しているテントは壁面が立ち気味ですので、居住性は良好だと思います。
また、テント内で暖房器具を焚いてわかさぎ釣りをする場合、一番恐ろしいのは一酸化炭素中毒です。一酸化炭素は空気よりも比重が軽いので、最上部に換気窓が付いているモデルはより安全性が高いと思います。
2 1人での釣行におすすめのテント
(1)プロマリン「ワンタッチアイスドーム」R
6角形のドーム型テント、210×245×160cm(縦×横×高さ、以下同)、床面積2.86㎡のモデルです。テント生地は75Dポリエステル、耐水圧1500mm、カラーはライトオレンジです。昔からある伝統的な形のわかさぎテントで、軽い生地を使っている分軽量と思われます。
→メーカーの製品ページ<実勢価格22,000円前後>
→アマゾンの販売ページ
(2)プロックス「クイックドームテント パオグラン」レギュラー
8角形のドーム型テント、208×208×161cm、床面積3.57㎡、重さ7.8kgのモデルです。テント生地は210Dポリエステル、耐水圧1500mm、カラーはホワイト・オレンジです。今年発売されたモデルですが、人気のようで他のサイズとともに既にメーカー在庫が切れていますので、まだある販売店を探す必要があります。球形に近いモデルで一番風には強いです。耐水圧が改善されており雨天にも強そうです。
→メーカーの製品ページ<実勢価格32,000円前後>
→楽天の販売ページ
3 2~3人での釣行におすすめのテント
(1)プロマリン「ワンタッチアイスドーム」W
6角形のドーム型テント、255×290×175cm、床面積4.22㎡のモデルです。テント生地は75Dポリステル、耐水圧1500mm、カラーはライトオレンジです。こちらはRと同様薄い生地を使っているので、大きさに比べて重さが軽そうです。
→メーカーの製品ページ<実勢価格25,000円前後>
→アマゾンの販売ページ
(2)DOD「ワンタッチフィッシングテントT5-244」
6角形のドーム型テント、240×280×180cm、床面積3.74㎡、重さ7.4kgのモデルです。テント生地は75Dポリエステル、耐水圧1500mm、カラーはイエローです。実勢価格も安く、大きさの割に安価で手に入れることができます。前掲のサブマリンテントとともにコストパフォーマンスが高いモデルだと思います。
→メーカーの製品ページ<実勢価格17,000円前後>
→アマゾンの販売ページ
(3)プロックス「クイックドームテント パオグラン」セミラージ
8角形のドーム型テント、250×250×200cm、床面積5.14㎡、重さ9.5kgのモデルです。テント生地は210Dポリエステル、耐水圧1500mm、カラーはホワイト・オレンジです。風には最強で、高さもあるのでかなりゆったり使えると思います。メーカー在庫切れが心配です。
→メーカーの製品ページ<実勢価格43,000円前後>
→アマゾンの販売ページ
(4)コールマン「アイスフィッシングシェルターオート」M
6角形のドーム型テント、255×290×157cm、床面積4.22㎡、重さ7.6kgのモデルです。テント生地は150Dポリエステル、カラーはホワイト・オレンジです。壁面をなるべく垂直に近い形に立てることによってスペース効率を上げたモデルです。高さが抑えられているので風にも強いと思われます。
→メーカーの製品ページ<実勢価格36,000円前後>
→アマゾンの販売ページ
4 4~5人での釣行におすすめのテント
(1)プロックス「クイックドームテント パオグラン」ラージ
8角形のドーム型テント、300×300×225cm、床面積7.41㎡、重さ12.7kgのモデルです。テント生地は210Dポリエステル、カラーはホワイト・オレンジです。ご紹介したテントの中では一番巨大です。ただ、このシリーズのテントはテント最上部に換気穴がないので、換気には十分気を使う必要があります。
以前、この小型旧タイプのテントにいた釣友花丸さんのところに一酸化炭素検知器を持って行ったら、物凄い数値が出てとても驚いたことがありました。
→メーカーの製品ページ<実勢価格57,000円前後>
→楽天の販売ページ
(2)コールマン「アイスフィッシングシェルターオート」L
8角形のドーム型テント、300×300×160cm、床面積7.41㎡、重さ10kgのモデルです。テント生地は150Dポリエステル、カラーはホワイト・オレンジです。床面積はプロックスのクイックドームと同じですが、高さが抑えられているので、広さの割に圧迫感があるかもしれません。
→メーカーの製品ページ<実勢価格45,000円前後>
→アマゾンの販売ページ
5 テントに附属するもの
(1)ペグ類
各テントには付属でペグが付いているかと思いますが、氷上での強風時には心もとないと思います。以下、氷上のコンディション別にテント固定に効くペグを御紹介します。
先ず、青氷が張っていて上に雪があまり積もっていない赤城大沼や松原湖などでは、打ち込み式アイスピトンやスクリューペグが効きます。つるつるのペグを氷に打っても、すぐに抜けてしまいます。下の氷雪湖の氷穴アンカー方式も効きます。
桧原湖など雪が積もって氷になったり、氷の上にかなり雪が積もっている湖でも、抵抗のないペグはすぐに抜けてしまいます。テントの裾に大量の雪を載せるのが基本ですが、私は氷穴にMSRの雪山用ブリザードステイクを埋め込んで使っています。ペグを十字に縛ったり、棒や竹を組み合わせて氷穴や雪に埋め込めば、うまく固定できます。
(2)床断熱
床になにも敷かずに暖房器具を利用すると、テント内はたちまち水浸しになります。発泡スチロール板、お風呂マット、断熱パネル、銀マットなどを敷いて、凍った湖面に熱が伝わりにくくすると快適に釣りができます。
私は2020年までは、穴を開けた断熱パネルを組み合わせて使っていましたが、2021年シーズンからは発泡ゴムのシートに代えました。テント内を暖かくしても、床面が溶ける心配がないので安心して釣りが出来ます。
6 その他のテント
(1)カタツムリテント
赤城大沼や松原湖などの氷結湖で人気のテントで、軽量で風に飛ばされにくいことと移動がとても楽なことが一番のメリットだと思います。
ただ、内部は一人で座って釣り座を構えるだけのスペースしかありませんので、複数人でテント内で料理を一緒に食べたりするような、賑やかな釣行には向いていないと思います。
(2)北米型キューブテント
私も使っている北米で標準タイプのキューブ型テントで、1人用から5~6人用まで様々なタイプがあります。内部スペースも広く、きちんと張綱を張れば、風にはかなり強いです。
日本のテントにはない、生地が二重になった断熱タイプのものもあり、外がどんなに寒くても内部が結露することはなく、とても快適に釣りができます。最近日本のアマゾンでも取り扱っているので、個性的なテントが好きな方にはおすすめです。
→詳細はこちら
「北海道でワカサギ・フィッシング」代表の横川英樹ともうs大変わかりやすく、これからテント新規購入や追加・更新購入を考えている方には参考になるはずです。倶楽部にもシェアさせていただきますね。
横川さん、ありがとうございます。そういっていただけるとうれしいです。初期UP時の数値に誤りがありましたので、修正しました。