木製燻製器の製作を思い立ち、設計から始めて組み立て、実際に使用してみました。
ここで、再度全体をまとめてみたいと思います。
1 基本設計
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先ず、どのような燻製器を作りたいか、基本となる要件について、考えてみました。
そこで、要件としたのは、以下の7点としました。
・今後、10年くらいは使用に耐えられる頑丈なものであること
・100度近くの温度に耐えられる素材であること
・現在のスモーカーとあまり大きさが変わらないこと
・450×450mmのネットラックが4段入ること
・燻製器の中で乾燥もできること
・現在使っている道具類が収まり良く入ること
・移動できる重さであること
この要件を踏まえ、460×550×1150mmの大きさのコンパネと化粧合板を組み合わせた木製のものとし、乾燥用に空調服用の電動ファン(写真)を取り付けたものにしました。
2 実施設計
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基本設計で決めた大きさ素材を元に、実際の部材のサイズや組付け方法を考えてみました。
扉を除く3面は、3mmコンパネと2.5mm化粧合板を角材を使った枠で固定したものとし、ネットラックを置く部分と中央部に補強材を入れました。
底板には、L字金具を入れて電熱器の置く場所を固定することにしました。
3 材料調達
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実施設計を元に、各種部材を調達、メイン部材は裁断してもらいました。
最近のホームセンターでは、購入部材の裁断を行っているところがほとんどなので、あらかじめ大きさを決めておくと便利です。
ただ、扉の電動ファンを入れる部分と天板の煙突部は円形で、自作する必要があるので、ホームセンターの工作室を借りてジグソーで自分で穴を開けました。
金具類では、特に釘や木ネジ類について、各部材から飛び出したり、効き目が弱くなったりしないように、慎重に太さや長さを選びました。
4 組み立て
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調達・製作した部材を、金具類を使って組み立てました。
ここでは、面一になるように組み立てるのに難儀しました。あらかじめ規定の寸法で切ってもらった角材の寸法が微妙に違っていたりして、修正しながら組み立てる必要がありました。
また、丁番が小型のもので個数が足りなかった(2個)ために、扉の重さに負けて、少し入り口付近が下がってしまいました。使用に問題はないので、少し下を切り取って使っています。扉が重かったため予定していたマグネット式の開閉器も取り付けをやめました。
底板では、電熱器のゴム製のコードをスモークウッドの熱源から離したかったので、置く場所を片方に寄せることにしました。
5 実際に使ってみる
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新潟東港沖で入手したアジ、サバと取っておいたヒメマスで熱燻を作ってみました。
庫内の温度90℃で、1時間40分燻煙をかけました。燻製器が大きめだったこともあり、温度上昇にやや時間がかかりましたが、一度上がった温度はサーモスタットでバッチリキープできました。
実際に使ってみて、改良が必要な点が見つかったので、以下の点について改良しました。
・扉の隙間をゴムテープで塞ぐ
・電動ファンの穴を、はめ込み式の蓋で塞ぐ
・小型金具で扉の開閉部を固定
・丁番を2個追加して補強
・ネットラックの隙間の一方向に針金を付ける
その後、スモークチーズを作った時に、底に雨水がかかる不具合があったので、短い脚を付ける予定です。
6 まとめ
金属製の燻製器は、数多く販売されていますが、木製の燻製器はほとんど販売されていません。販売されているものは大変高価です。
今回の自作燻製器の材料費は、電動ファンを除けば、3諭吉あれば十分足ります。
これほど大型でなくても、十分美味しい燻製は作れると思います。構造等が燻製器の自作を考えている方の参考になれば幸いです。
小型であっても、スモークウッドから食材までの距離をある程度離せば上手くできると思います。
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