前回までの釣行での沼沢湖のヒメマスが泳ぐ層について、まとめてみたいと思います。
ヒメマスは、生息適温が10~13度と、サケ・マス類の中でも低温を好む魚です。ニジマスよりも高水温に弱いですが、イワナ程低水温には適合していないようです。
福島県でも、裏磐梯の湖に放流が試みられたようですが、定着しなかったようす。水深が浅いせいで、水温が適温とならなかったことも一つの原因になっているかもしれません。
6月と9月の沼沢湖の水温変化について、まとめた資料(紺野香織、坂野博之「福島県沼沢湖に生息するヒメマスの動物プランクトン選択性」『水産増殖 58』2010年122p Fig.2を改変)がありますので、右図に掲載しました。6月は低水温域がかなり上層まであるのに対して、9月になるとそれがかなり下層まで下がっているのがわかる資料だと思います。
この資料ですと、生息適温域は、6月だと6~9m付近、9月だと15~25m付近になります。
私の使用しているPS31ですと、前方のヒメマスの群れの深さと距離がリアルタイムでとらえることができます。そこで、4月14日から6月18日までの釣行でだいたいの傾向が出てきたので、ご紹介したいと思います。
後半戦はだいたい割合を記録していましたが、前半戦は記録しておらず記憶にたよっていますので、ご了承いただきたいと思います。
まず、泳層を4つに区分してみました。
1 5mより浅い最上層
2 5~10mの上層
3 10~15mの中層
4 15m以下の下層
大きな傾向として、4月から5月中旬位までは、10mから15m付近の群れが多いですが、5月下旬以降は、10mよりも浅い群れが圧倒的に多くなる傾向があるようです。
前掲の6月のヒメマス生息適温深度が6~9mですので、5月下旬以降については、データ的にも照合するものと思われます。
カヤックで釣っていると、5mより浅い群れは船を極端に警戒し、船の下に入って来ることがないこともあり、大変釣りにくいです。
また、PS22の指向角の関係で、深いところにいる魚程遠方から捉えることができますが、あまり深いと仕掛けが見にくくなります。そのバランスが良く釣っていて一番釣りやすいのは、10~15m位にいる群れです。
今後上層の水温が上がって来ることが予想されますので、この層に落ち着いてくれるものと思います。
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