ヒメマス用の玉網の柄に螺鈿細工を施してみました。簡単に作り方を御紹介します。
1 材料と道具
(1)材料
・90cmの桐の24mm径の丸棒
・3cm、25mm径、0.8mm厚のステンレスパイプ
・螺鈿用貝の小剥片1g
(2)塗料と道具
・工作用刷毛と絵筆
・和信ペイント工芸うるし黒(水性ウレタン塗料)、水性ウレタン塗料透明
・との粉
・充電式電動ドリル
・ピンセット
・カッターナイフ、彫刻刀
・木工用ボンド、木工用パテ
・セメダインスーパーX、セロハンテープ
・耐水サンドベーパー(#400と#800)、プラスチック用コンパウンド
・ウエス
2 作り方
(1)丸棒カットと金属製パイプの取付
まず、90cmの桐棒を65cmの長さにカットします。この65cmの長さは、私がカヤックで使う場合に一番使いやすい長さです。
次に、桐棒の端部3cm程を、ステンレスパイプが入るように、彫刻刀で薄く削ります。大体の形が整ったらば、サンドペーパー#400で丸く研磨して、ピッタリ合うように調整します。
調整が終わったら、丸棒に薄くセメダインを塗り、ステンレスパイプを取り付けます。手作業では、どうしても先端に凹凸が出るので、凸部はサンドペーパーで平滑にし、凹部には木工用パテを埋めて磨くようにします。
きれいになったら、塗りの工程に備えて、ステンレスパイプにセロハンテープを巻きます。
その後、ドリルで12mm径の穴を開けます。この時、中央に穴が開くように、ドリル径の小さなものから順番に穴を開け、最後に12mmのものを使うようにします。
(2)目止めと下地塗り
丸棒はそのままでは、どうしても木の目があって漆を塗った時に凹凸ができるので、との粉で目止めします。
水で1:1に溶いたとの粉を刷毛で丁寧に塗り込み、半乾きの時、ウエスで更に塗り込みます。塗り込んだら、#400のサンドペーパーで軽く研磨し、余分なとの粉を取り除きます。
更に下地塗りとして、水性ウレタンにとの粉を混ぜたものを2度塗りして、乾いたら#400のサンドペーパーで磨きます。
塗りは、電動ドリルを下に固定し、そのドリル刃に丸棒を入れて固定し、丸棒が真っすぐ立った状態で行いました。こうすると塗料の余分な垂れがないように注意して塗ることが出来ます。
(3)漆の中塗り
下塗りの上に、漆を2度ほど塗って、螺鈿を貼る下地を作ります。工作用の刷毛を使って、上から丁寧に塗り込みます。乾燥はだいたい40分位かかります。
この時、差し込み口にも漆を塗り込んでおくようにします。
(4)螺鈿の剥片貼り
螺鈿の剥片を丸棒に貼っていきます。この工程が一番手間がかかりました。小皿を2枚用意し、ピンセットと絵筆を使いました。
木工用ボンドを少しだけ薄めて、絵筆とピンセットを使って螺鈿に薄く塗り、これを丸棒に貼り付けます。
丸棒は断面が丸い形をしているので、薄くても硬い螺鈿は縦方向を中心に貼り付けました。1分近く押さえてようやく貼りつく感じです。
今回は、先端部に螺鈿が多くある感じの模様にしました。
(5)漆の上塗り
ウレタン漆は、皮膜が薄いので、完全に隠れるまで塗り込むのはひと手間です。10回位重ね塗りをして、ようやく螺鈿が隠れる厚みが出ました。
(6)研ぎ出し
水場で#400の耐水サンドペーパーを使って、漆の膜を研ぎ出していきます。研ぎ出すと削り取った漆が丸棒についてくるので、その都度洗い流します。
研ぎ出しには、#400が4枚、#800が2枚位必要です。
だいたい下の螺鈿が見えてきたら、#800を使って更に研ぎ出します。この時どうしても削りすぎの部分が出てきてしまう場合があるので、そこには漆を再度塗ってから研ぎ出します。
研ぎ出しで誤って、漆塗膜が大きく取れてしまった場合には、木工用パテで穴埋めしその上に漆を塗ります。また、螺鈿上に取り切れない漆塗膜がある場合、カッターナイフで丁寧に取り去ります。
最後に、ウエスにプラスチック用コンパウンドを付けて丁寧に磨いて行きます。サンドペーパーの傷が完全に見えなくピカピカになったらOKです。
ステンレスパイプを覆っていたセロハンテープを外し、余分な漆を取り去ったら完成です。
3 まとめ
ウレタン水性塗料は扱いも簡単で、乾燥時間が短いのも助かりました。工程上では、螺鈿貼りと研ぎ出しがひと手間かかります。
釣りでは、このようなオリジナルの道具を作るのも大きな楽しみです。この玉網を使ったヒメマス釣りが楽しみです。
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