氷上釣りで、強風でテントが立てられず、困ったことはありませんか?
昔、桧原湖で強風吹雪のため、どうしてもテントを張ることができずに難儀し、一体どうしたものかと思ったことがありました。
しかし、今では以下の方法を使えば、どんなに強い風が吹いても安心してテントを張ることが出来ることがわかっています。以下簡単に御紹介します。
1 ロープの固定を完璧にする
(1) 氷穴を利用してロープを固定する
直径15cmの穴に、それよりも長く重い棒を挿入し、穴に引っかける方法です。
私は雪に埋めて使うことが出来るMSRのブリザードステークを使っていますが、硬くひしゃげない鉄の棒で十分事足ります。
方法は、ロープ付きの棒を氷穴の中に入れて、穴の縁に引っかけて固定するだけです。この時、棒が斜めに入るように中央より少し寄った場所にロープを付ける必要があります。
取る時は、テンションを緩めると棒が斜めになるので、そのまま引き上げるだけです。逆にロープを固定する時はテンションをかけ続ける必要があるので注意が必要です。
1日釣りをしていると穴が氷付き、棒を取り出しずらくなるので、ピッケル等氷を割る道具を持っていくと苦労せずに取り出せます。
2021年1月10日に長野県立岩湖で2晩置いたら、凍り付いて取り出せなくなってしまいました。
また、プロックスからはアイスアンカーとして、テント中央から下の氷穴に垂らす方法で固定する道具も販売されているので、こちらを使ってもきっちり固定できると思います。
→アマゾンの製品サイト
この方法は、赤城大沼のような青氷が張っている氷結湖はもちろん、桧原湖のような雪が厚く積もっている湖など全ての湖で使えます。
(2) 氷専用のペグを使う
赤城大沼や松原湖のような氷結湖では、テントに付属しているようなペグは全く効きません。
そこで、冬山登山用の打ち込み式アイスピトン(アイスハーケン)を使うと、完璧に固定することが出来ます。私は20年以上前から愛用しており、一度強風時に、湖面の固定部は全く無事でも、テントの布地自体が裂けてしまったことがありました。
昔はモチヅキと言うメーカーから今のだいたい半額位で販売されており、登山家の間でも「イボイノシシ」の愛称で使わていました。
その後、別なメーカーから「アルパインピトン」として復刻されて入手可能となりましたが、かなりいい価格になってしまいました。
→楽天での製品サイト
抜く時は、上部を左右に叩いて少しずつ緩める感じで抜きます。無理をすると前掲写真のように曲がってしまうので、注意が必要です。今度、ガストーチで熱してみようかと密かに考えています。
氷上専用のペグには、電動ドリルで氷に入れ込むスクリュー式のペグも市販されているようですので、そちらを使っても問題ないと思います。
→プロックスのアイススクリューアンカーペグ(プロックスの製品ページ)
値段もアルパインピトンとあまり変わりないですが、私はアルパインピトンの方をおすすめします。
ただ、このタイプのペグで気をつけなくてはならない点は、天気がいい日に上部を露出させておくと、熱が下部に伝わり抜けやすくなることです。できれば、上部にも氷片などをかけて、日光を遮るとより安心できます。
(3) 雪に埋め込めるペグを使う
私は前掲の氷穴固定用にも使っていますが、MSRのブリザードステークがとても便利です。
こちらは、冬山登山でテントを固定する場合に、雪に埋めて固定する時に使う道具です。丁度雪を抱きやすいように曲面板状の形をしており、雪に埋めてその重みで固定します。
砂浜でキャンプする時に埋めて使う十字ペグのような機能を考えると分かりやすいと思います。この道具でなくても、丈夫な竹や十字ペグ等でも十分役割は果たすと思います。
桧原湖のような氷の上に厚く雪が積もっている湖では、とても有効な道具だと思います。
2 テント裾に雪をたくさん載せる
わかさぎ釣り用のテントは、どのテントでもその裾部外側がスカート状になっています。こちらに多めに雪を載せれば、風の弱い日にはそれだけで十分テントを固定できます。
私は、この作業が簡単に出来るように、「ジョレン」と言う土耕具を使っています。土をかき上げる道具で、雪を載せるのに大変便利です。
3 強風に強いテントを使う
強風に強いテントを使うと、テントの固定後もより堅固な状態を保てます。
風に対する耐性は、テントの形が球形に近い程強くなります。1つの面が大きな四角タイプのテントだと、風の抵抗が大きくなり耐風性は低くなります。
市販のテントの中でも、球形に近いものは風に強いです。→2020年のおすすめテントはこちら
また、テントの骨組みの材質も耐風性に関係してくると思います。グラスファイバー、アルミ、スチールなどの材料が使われていると思いますが、単純な剛性ではスチールが一番強いです。
私の北米製キューブテントは四角タイプで、形での耐風性が一番低いですが、骨組みが頑丈なスチールであるため、実際の耐風性は極めて高いです。
テントの高さや体積も風に対する強さに関係します。
強風の日が多いと思われる赤城大沼では、事実上カタツムリタイプのテントが標準となっているのも、耐風性が高いからだと思われます。
グラスファイバー骨組みの安価な四角いテントも市販されていますが、耐風性や骨組みの強度から、あまりおすすめしません。
4 まとめ
楽しいわかさぎ釣りは、厳しい自然の中で行う遊びです。強風時でもきちんとテントが固定できれば、安心して釣りを楽しむことが出来ると思います。
強風時釣行のご参考になれば幸いです。
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