もうじきアサリ採りの季節

 氷上釣りの季節が終わりを告げようとしていますが、実は、この後の季節に、カヤックフィッシング以外に楽しい出来事が待っています。それは、アサリ採りです。

 普通、アサリには「漁業法」によって第一種共同漁業権が設定されており、共同漁業権が設定されている海では漁業権を持っていない者が採捕できない生き物です。ところが、福島県内には漁業法に抵触しない場所にアサリが生息している場所があるのです。

 それは、浜通りの小河川の汽水域です。原発からは離れているので、放射性物質の心配は少ないですが、全くゼロと言う訳ではないので、気にする方は敬遠した方がいいかも知れません。

 県内の河川は「福島県内水面漁業調整規則」によって、水産生物の採捕に規制がかけられている所が多いのですが、この小河川にはそのような規制がかかっていません。アサリはかなり生命力が強い生物で、汽水域でも生息できます。そこを狙って、合法的にアサリを採ります。

 まず、潮位と干潮の時刻を調べて、適当な日と時間をねらって行きます。潮位は中潮から大潮がおすすめで、冬には夜間に最大潮位となっていたのが、春からは日中に最大潮位となるようになります。時間は、干潮前の2時間前からその後1時間程度を狙っていきます。

 使う道具は、長い木の柄の先に一方が開いたステンレスのカゴがついた「ジョレン」、胸までかかる「胴長」、アサリを入れる「発泡スチロール箱」の3つとなります。発泡スチロール箱には上に穴を開け、そこからアサリを入れられるようにしています。

 胴長にベルトを巻いて、そこに紐で箱を結わえて、ジョレンを持って川の中に出陣します。
 アサリが好むのは泥混じりの砂地なので、水中を進むと足が沈み込んで足を取られそうになります。どちらかと言うと、アサリは干潮時に干上がるような浅いところよりも水面に出ない深いところの方にいる傾向があります。そこで、できるだけ川の中央を目指します。

 目的の場所についたら、ジョレンの柄を肩にかけて、奥から手前に先端のカゴの部分の開口部を引いていき、川底表面近くの砂泥を入れていきます。TVで船や深場で漁師さんがこの作業をやっているところが映ることがありますが、結構力がいる作業です。

 手前まで移動させて、カゴの中に砂泥がたまったら、カゴを持ち上げて揺らしてカゴの目から砂泥を落とします。すると、アサリがカゴの底に残っていきます。全部砂泥がなくなり、アサリだけになったら、1個ずつ拾い上げ発泡スチロールの箱に入れていきます。

 1回で入るアサリは、多いときには20個も入りますが、だいたい2~5個位が多いです。少ないと全く入らないこともあります。だいたいジョレンで底を引いている時、アサリに当たると「カチッ」という手ごたえがあるのでわかります。たまに、ハマグリも入っていたりするので驚きです。

 アサリを採り終えたら、更にビニール製のバケツ等に分けて入れ直します。港に行って海水を汲んでそこに入れると、家に帰りつく頃には砂をみんな吐き出しています。
 帰ったら、酒蒸し、アサリバター、佃煮、味噌汁、いろいろな料理を楽しむことができます。

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