テンティピテント用ウッドデッキの製作を思い立ってから、色々考えをまとめてみました。
この連休中に、天板以外の土台だけでも製作したいと思い、本格的な設計図を作成し、段どりを考えてみました。
1 上部天板の寸法・素材
先ず、最終的な仕上がりの面となるデッキ天板の寸法や素材を色々考えてみました。
ウッドデッキのサイトを見ると、硬い木(ハードウッド)の使用が推奨されていますが、高くてとても手がでません。
そこで、一番安価な杉板材を素材とすることにしました。残念ながら、杉はソフトウッドです。
また、天板の寸法は幅105mmが標準のようですが、数を少なくするために120mmとしました。
厚さは2cm、もしくは3cmが標準のようです。ソフトウッドの杉をなるべく丈夫に使いたいため、厚さは3cmとしました。
ウッドデッキの最終的な大きさは6×6mとしたいので、長さは3mのものとしました。
天板を5mm間隔で打ち付けると、片側48枚が必要ですが、枠組みの関係もあり、1枚多い49枚としました。
これが、2セットで天板の杉板は、幅120mm×厚さ30mm×長さ3000mmのものが98枚必要になります。
幸い、楽天でこのサイズの杉板5枚セットが比較的安価に手に入りそうです。
2 下部構造の設計
(1)木組みと金具
基本設計でも記載したように、今回は大引けを使わず、根太板を束柱に直接打ち付け固定する工法としました。部材は、根太に2×4材と1×4材、束柱に3寸角の材を使います。
その寸法で注意したいのは、天板の端部処理です。あまり端部近くに釘を打つと材が割れる危険性があります。
そこで、外側と中央の連結部は、釘を打つ根太のセンターから30mmの余裕を作ることにしました。
また、根太の間隔ですが、ハードウッドの3cmだと75cmでも大丈夫なのですが、ソフトウッドの杉だと不安なので、間にも細い(1×4)根太を入れることにしました。
これを設計図としたのが右図です。片方はコピーを張り付けているので、少し歪んでいますが、大体こんな感じにします。
束柱に根太材をネジ釘で留めて固定しますが、補強に金具も使います。
金具は、2×4材と束柱の接続部にL字のシンプソン金具(大)、1×4と2×4材との接続部にL字のシンプソン金具(小)、工法上根太材を束柱に留められない箇所に根太受けのL字金具を使います。
(2)基礎
ウッドデッキを作る場所は、傾斜地ですので、基礎を水平に作るのが、このプロジェクトの最重点になると思います。
そこで、基礎部分を土突きで良く固めた上にコンクリート板を置いて水平を正確に取り、更にその上に羽根板付き束石(図)を立て束柱を固定します。
斜面上部と縦横の中央の束柱が近接するところには、ゴロ束石、他は床までの高さに合わせて、複数種類の束石を使いたいと思います。
3 防腐処理
ウッドデッキは、ずっと雨ざらしとなりますので、木材の防腐処理は必須です。
それ用の色々な塗料が販売されていますが、色々調べてみるとウッドデッキ用の大定番商品は、「キシラデコール」のようです。
価格が高いのが難点ですが、公共施設や文化財にも使われ40年を超える使用実績があるのは魅力です。
そこで、デッキ天板は「キシラデコール」(油性)にし、基礎部分ももっと安価に入手できる防腐・防湿塗料を塗ろうと思います。
4 工事手順
(1)縄張りと遣り方組み
まず、設計図の外側に縄を張り、仕上がりの外形ラインを地面に示します。次に遣り方を組むので、大体で大きさで大丈夫です。
次に、斜面上部は20~30cm外側、それ以外は50cm~1m外側を目安に、杭と抜き板を使って遣り方を組んでいきます。
ここで、杭の位置が水糸にかからないように、設計図を基にした杭の位置も決めて置きます。
レベルで杭に根太上面と同じ高さになる印を付け、上面が合うように、抜き板を打ち込んでいきます。
ここから、束柱と根太の位置を決めるための水糸を張るために、抜き板上面に釘を打ち込む作業となります。
釘の位置決めには、トータルステーションの座標系を利用します。
デッキの南面の延長にトータルステーションを据え、延長方向に0設定し、最初の交点までの距離を測定して機械原点とすると、図のような座標系が出来上がります。
この座標系を元に、遣り方で組んだ抜き板に水糸を張る点の印を付け、小釘を打ちます。
(2)基礎部分の作りこみ
地面と束柱の間には、羽根付の束石を置いて、束柱を固定するようにします。図の赤い部分が束柱の位置です。
束石の正確な位置は、遣り方の水糸を目安にして、設置する場所の地面を土突きでよく突き固めます。
束石には、中央の狭い部分と、一番低い東側の分の合計箇所については、コンクリート板と併用して、キューブ型のものを利用します。
他の場所には、断面台形の羽根付束石を使います。寸法は、地面からの高さを確認してから決めようと思います。
ここで、正確な位置に設置するために土突きで地面を突き固め、水平器で束石の水平を確認します。
合わせて天板を張る根太上面までの高さを測り、各場所の束柱の長さを決めます。
束柱については、長さが決まってから、カットまでをホームセンターでやってこようと思います。
(3)基礎木材の準備
木材は、根太として、2×4材60本、1×4材16本が必要となってきます。
また、束柱には3寸角の柱材を用いて、(1)で計測した必要な長さのものをそろえるようにします。
2×4材の値段をあちこちで調べたところ、コメリが一番安そうなので、そこで購入予定です。ただ10ft材がなく12ftのみなので、加工が必要です。
材料が揃ったら、規格の寸法に丸ノコで切っていきます。
更に防腐材を良く塗れば、完成です。基礎組を製作する前に防腐処理もする予定です。
(4)基礎組の製作
先ず、一番外枠と中央部分を組み立てます。
束柱と2×4の根太板との接続は根太側から木ネジで留めるとともに、シンプソン金具L字を使って、固定していきます。
中央部分の片側は根太板から束柱に留めることが出来ないので、下に根太受け金具を取り付けます。
外枠が組みあがったら、束柱に打ち込む根太下の板を固定し、根太板を順番に取り付けます。
2×4材を使う部分には、1.5m間隔に束柱を立ててそこに固定します。
(5)天板の打ち付け
天板となる120×3000mm厚さ30mmの杉板を準備したら、先ず1回目のキシラデコールを塗りつけて、防腐処理をします。
ハードウッドの天板には、釘頭が出ないような工作が必要なようですが、杉は柔らかいので、細めの木ネジをネジ込めば、頭は材の中に沈み込みます。
防腐処理が済んだら、5mmの間隔を開けて、基礎組みに打ち付けます。6m+2×4の厚さだと、49列の杉板が並ぶ感じです。
全て打ち終えたら、上面に仕上げのキシラデコールを塗って、乾かして完成です。
(6)付属設備の設置
思いのほか、地面に傾斜があって下側の床面が高くなるので、西側と北側には手すりをつけようと思います。
この方向の四隅の柱と、中間付近の柱には、束柱を延長したものを使って作ります。
上に横板を2段に渡し、キシラデコールで防腐処理をして完成です。
南側には入り口階段もとりつけようと思います。あまり高くないので幅1.5m、2段位の階段を作ろうと思います。
5 まとめ
本格的なウッドデッキを作るとなるとかなり大がかりな工事が必要になります。
ただ、出来上がったウッドデッキにTentipiのテントを張って、グランピング仕様にしたら、とても楽しいと思います。
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