釣魚のオークションサイト「Fish Sale」

 今年の冬に、釣った魚をオークションにかけられるサイトが立ち上がると話題になりましたが、色々事情があったようで、立ち消えになったかに見えました。

 ところが、「Fish Sale」として、最近新たに立ち上がったことがわかりました。そこで、内容について簡単にご紹介したいと思います。

1 概要

(1)サイトの目的

 利用規約を見ていくと、サイトの目的は「本サービスは、出品魚(鮮魚、以下、「商品」といいます。)に関して、インターネットを利用したオークション方式によるユーザー(次条に定めます。)間の取引の機会を提供するものです。(後略)」(第1条)と、オークション機会の提供が目的であるとされています。

(2)取引の責務

 また、ユーザー間の取引責務については「(前略)当社は、ユーザー間の取引及び商品等の内容には一切関与しません。(中略)ユーザー各自の責任及び費用で解決するものとし、当社は、当該紛争に一切関与しません。」(第11条)、と取引責務はユーザー間で負うことになっています。

(3)出品者の責務

 出品者が負う責務については、「出品者は、出品する商品、出品方法、商品の引渡方法及び保管方法等にかかる関係法令及び監督官庁のガイドラインを遵守しなければなりません。(後略)」(第12条)と、関係法令とガイドラインの遵守が求められています。

 具体的には、水産庁の「都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法(海面のみ)」、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)の「海のルールとマナー教本」、水産庁の「遊漁・海面利用の基本的ルールと遊漁・海面利用の基本マナー」、経済産業省の「不正競争防止法」へのリンクが貼られています。

(4)出品物の内容

 出品された魚については、 「(前略)当社は、本サービスに出品される商品等の品質、安全性または適法性について調査及び判断する義務を負わず、また一切保証しません。(後略)」(第13条)と、こちらもユーザーに委ねられています

2 出品方法

 コメントと画像1枚、および必要事項を記入して出品するようです。

 必要事項には、出品者名、出品日時、サイズ、重量、釣り場(産地)、釣り上げた日(水揚げ日)、分類、締め方、処理方法、締め処理を行ったタイミング、保管方法、配送料の負担、配送方法、配送料目安、発送までの日数、発送元の地域、即決金額の17項目があります。
 

3 費用と決済方法

 落札費用の10%が費用としてかかり、また落札後取り消し費用4%がかかるようです。出品料は明記されていないので、ヤフオクなどのような出品料はかからないようです。

 決済には、落札代金受け取り用銀行口座とクレジットカード情報を登録する必要があります。

 入金のタイミングは、自動設定(毎曜日)と手動設定ができるようです。

 落札にはクレジットカード情報の登録が必要で、代金はクレジット引き落としになると思います。

4 出品の傾向(このブログUP時点)

(1)魚種

 クエ、キジハタ、イシダイ、シマアジ、マナガツオ、ヒラメなどの高級魚がほとんどです。他にカンパチ、ヒラマサ、マダイ、ウナギなどがあります。

 アジなどの一般的な釣魚は見かけませんでした。

(2)出品者

 プロの漁業者が多いようです。素人が釣った魚はあまり数がなく、落札に至らないこともあるようです。

 また、鮮魚の締め方として一般に名を知られている津本式で絞められた魚も多かったです。新鮮でおいしい魚を求めると、やはり締め方にもこだわる必要があるのかも知れません。

5 ヒメマスは出品・落札できるか?

 私が釣っているヒメマスが出品・落札できるかについて考えてみました。

 ヒメマスは、淡水魚最高の食味を持った魚ですので、食味の点から見れば、他の高級魚に引けをとらない魚だと思います。

 ただ、出品時の入力項目と他の出品者の傾向を見れば、釣り上げ時の締め方に一工夫する必要があると思います。ここは、淡水のマス類の締め方について、よく学ぶ必要があります。

 また、流石に1匹のみの出品とはいかないので、最低でも10匹程度は必要となり、それなりに魚体を揃える必要があると思います。

 ここは、重さと大きさで大中小に分類する必要がありそうです。

 保管方法については、今年-60℃対応の133リッター業務用冷凍庫を購入したので、十分対応可能だと思います。いろいろ調べてみると、冷凍した物でも鮮魚介の範疇に入るようです。

 パック詰めについては、現在行っている内臓抜き後真空パック詰めで問題ないと思います。解凍後、すぐに調理に入れるので、便利だと思います。

 また、ヒメマスの相場についても調べてみました。

 北海道に鮮魚の通販をしている業者がいるようです。そこでの金額は、北海道小平町で大きさ不明5匹2,484円、10匹4,644円、阿寒湖で小(150g前後)450円、大(350g前後)で850円となっています。いずれも大体小さなものでも500円弱での販売のようです。

 ですので、相場よりも安い値付けとすれば、小10匹が2,000円、中10匹が2,500円、大10匹が3,000円あたり、が落としどころだと思います。

 これに冷凍便での送料約1,700円が加わるので、小が3,700円、中が4,200円、大が4,700円が入札者の払う金額となります。

 う~ん、4,000円出してヒメマス10匹を食べたいか?微妙なところです。

6 まとめ

 オークションサイトとは言え、世界一厳しいと言われる日本の消費者を相手にすることになります。

 当然、魚の味や締め方を含めた鮮度は厳しく吟味されるので、現在のところ、やはり扱いに慣れたプロの方々が高級魚を出品するサイトとなっています。

 冷蔵・冷凍便で出荷すると、それだけで1700円位かかりますので、それに見合った魚でないとなかなか落札されないのかも知れません。

 私のような素人は、利益を出すのではなく、お裾分け感覚で新鮮で美味しい魚を安価に出品するのがいいかと思います。

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