今年の4月に、テント専用のウッドデッキの製作を思い立ち、足掛け約7か月かかって完成しました。
だいたい正味製作日数が21日、総費用が約57万円かかりました。(今年の釣行日は、21日純減でしたw)
改めて、工程、道具と材料(費用)、反省点などについてまとめてみたいと思います。
1 製作工程
(1)設計
先ず、大きさが5.3mの八角形(Tentip Safir9)のテントを設営するデッキとして、大きさを6×6mのサイズとしました。
材料は、2×4材と9cm角柱材を基本に、1×4材を補助的に使い、金具を使って連結する設計としました。
かなり高低差がある場所に設置するので、当初高い部分には手すりを付ける設計でした。しかし、製作してみると集落側から丸見えなので、最終的には手すりをウッドフェンスにしました。
(2)遣り方組みと測量(2日)
正確な位置決めをするのに、住宅建築などでも最初にする遣り方を組んでみました。
遣り方の貫き板には、位置と高さが丁度になる場所に小釘を打って、打ち終わったら水糸を張ります。
(3)基礎の設置(3日)
柱を斜面に垂直に立てるため、下に砕石を敷いて基礎束石とコンクリート板の水平と位置決めをします。
砕石を入れて水準器で水平を取り、更に遣り方水糸交点から下げ振りで位置決めをする地味でも時間のかかる作業でした。
(4)柱の製作と基礎組み(4日)
柱材で一番大切なことは、切断面が垂直で真っすぐ立てられるかどうかです。素人のノコギリだとどうしても斜めになるので、電動丸ノコを使っていい感じの寸法に切断しました。
柱と根太材が準備出来たら、基礎束石に柱を立てて、横方向の根太材で固定します。設計通り立てたはずが、南側と北側の枠で少しずれてしまいました。
根太材と柱の固定には金具を使います。
(5)基礎の補強(5日)
砕石で水平を取った束石ですが、大雨が降ると砕石が流れてしまうので、モルタルで固めて補強しました。
設置場所が床板と地面の高さがかなりあり、高い所は特に強度に不安があったので、束柱間に2×4材を入れて補強しました。
これで、地震でも簡単に倒壊しない構造になったと思います。
また、床板を支える2×4の根太材ですが、当初の設計では柱で支える間隔を1.5mとしたものの、強度に不安が出てきました。
そこで、一番力がかかりそうな25カ所に、砂利で水平をとったコンクリート束の上に鉄製の支えを乗せてみました。
最後に床板張りに備えて、2×4材の根太間に1×4材の補助根太を入れて、床板張りに備えます。
凹凸が出来てしまう部分は、グラインダーで削って最後の調整を行います。
(6)床板の塗装と設置(4日)
杉材の床板は一番過酷な環境にさらられるので、念入りに2回防腐剤を塗ってから、床板張りに移ります。
床板張り時には、きっちり下穴を開けてから根太材に留めていきました。
ウッドデッキでは5.5mm径のネジが推奨されていますが、細めの4.2mm径のものでもしっかり留めることが出来ました。
また、組みあがってから、念入りに3回目の防腐剤を塗りました。
(7)ウッドフェンスと階段作り(2日)
ウッドフェンス材は1×6材を使い、約90cmの高さで北~西方向を囲みました。こちらも過酷な環境にさらされるので、最初から防腐剤を3回塗りました。
階段は、テント正面入り口の南側に付けます。斜面になっているところですが、なんとか2段の階段を水平に付けることができました。
(8)テントの設置(1日)
こちらは、本来の製作目的ですので、固定方法は念入りに鬼目ナットを使ったボルト固定方式としました。
ウッドデッキ上でのテントの固定には、床面はM10長さ30mmの鬼目ナットに丸環ボルトとフックボルトで固定し、フェンス上部への固定にはアイプレートとカラピナを使いました。
かなりしっかりしているので、強風でも問題ないと思います。
2 道具と材料
(1)道具
先ず、木組みを留める道具としてドリルドライバーが必須です。こちらは、下穴→ネジ留めをスムーズに進めるため、床張り工程後はマキタの18V充電式の大小2個を準備しました。当然、ドリルやビットなどの先端工具も必要です。
次に、木材のカット用として、充電式レシプロソーと、電動丸ノコを準備しました。特に柱の垂直を正確に取るためには、電動ノコで直角に切断する必要があります。
柱材に使った9cmの角材は、ホームセンターでの切断サービスの対象外なので、新たに購入することにしました。高額な工具ですが、使いではあります。DIYを趣味とする方にはおすすめの道具です。
また、木材寸法の微調整用の充電式グランインダーも使いました。紙やすりの刃を付けて、丁度いい寸法に削っていきます。こちらもかなり頻繁に使う便利な道具でした。
遣り方を使って直角と水平を正確に取るために、トータルステーションとレベルも準備しました。こちらは高額で一般的には使わない機器ですので、レンタルするか知り合いの測量屋さんに借りるのが現実的だと思います。
水平と直角を確認するためには、水準器と下げ振りも必須の道具です。柱の位置決めをしたりまっすく立てたりするにはそれらの道具が必要です。
(2)材料(費用)
ア 基礎束石類(68,410円)
・羽子板付束石 大12個(1,180円)、中11個(948円)、小8個(798円)、
・羽子板付ピンコロ33個(398円)
・ピンコロ 23個(458円)
・コンクリート正方形平板15枚(398円)
・コンクリート長方形平板 10枚(1,080円)
イ 柱材(25,200円)
・杉角材90×90×3000mm 15本(1,680円)
ウ 基礎組み材(55、968円)
・2×4材3650mm 35本(1,280円)※10fより安いので12f材にしました
・1×4材3650mm 16本(698円)※10fより安いので12f材にしました。
エ 基礎補強材(17,144円)
・鋼製束 600~850mm 5本(789円)
・鋼製束 462~617mm 3本(639円)
・鋼製束 350~530mm 4本(490円)
・鋼製束 280~460mm 7本(428円)
・鋼製束 250~360mm 3本(390円)
・鋼製束 180~260mm 1本(380円)
・砕石 6袋(198円)
・モルタル20kg6袋(598円)
オ 補強金具類(53,216円)
・シンプソン金具デッキジョイストタイ30個(492円)
・シンプソン金具A23 100個(259円)
・シンプソン金具A21 80個(179円)
・六角ボルトナット110mm 90個(42円)
・六角ボルトナット150mm 90個(46円)
・角座金 180個(20円)
カ 床板(含む階段)材(150,000円)
・杉板材 120×30×3000mm 5枚組20セット(100)枚(送料込み総額¥150,000)
キ ウッドフェンス材(54,080円)
・1×6材3000mm 26枚(2,080円)
ク テント固定金具(38,298円)
・鬼目ナットM10、30mm 5個入り 4個(970円)
・フックアイボルトM10 7個(1,910円)
・ステンレスリングボルトM10 10個(809円)
・ステンレスアイプレート12mm 8個(1,345円)
・ステンレスカラピナ8cm4個入り 2個(1,099円)
ケ 防腐塗料(77,440円)
・キシラデコール102ビニー 3.4リッター缶8本(9,680円)
コ 木ネジ類(30,000円)
・5.2mm×120mm(角材と根太の固定等)、4.2×750mm(床板の固定等)、3.5×3.8mm、1.6×3.2mm(金具の固定等)
※詳細な本数は数えていませんでしたが、だいたい全部で30,000円位だと思います。
サ 費用のまとめ
結局、総額約57万円(569,756円)かかりました。
それぞれの科目を円グラフにまとめてみると、やはりウッドデッキ床材が突出して多いことがわかります。ウッドデッキなのであたりまえですが・・。
多分、硬質ウッドデッキ材を使ったら、床材だけで総額位かかるのでこれで良かったと思っています。
シ 購入先
木材・基礎束類等はコメリとカインズ、テント固定材はAmazonn、補強金具はモノタロウと楽天で購入しました。
3 反省点
(1)設計がほとんど全て
ウッドデッキがきちんとできるかどうかは、ほとんど設計にかかっていると思います。
今回は、基礎に補助を追加したり、ウッドフェンスを付けたりと、途中で変更を加えた箇所がありましたが、本体はほぼ設計通りにできたと思います。
ウッドデッキでは、床板の種類(杉などの軟質材か硬質材か)と厚さ(2cmか3cmか)によって耐荷重が変わってくるので、最初にそこを吟味する必要があると思います。
(2)金具の交差等に注意
色々な金具を使いましたが、設置時に交差して柱材の中でバッティングするものがあって、当初の想定通りにいかないものがありました。
特に、六角ボルトナットは太く、取り付ける予定の位置は、よく考える必要があると思います。
また、狭い場所に取り付ける場合は、手順をあやまるとうまく付かなくなるので、そこも考えどころです。
(3)垂直切断は必須
柱を垂直に立てるためには、切り口が垂直である必要があります。
プロの大工さんならまだしも、素人が手のこりぎりで切断しても、絶対に垂直に切ることはできないと思います。
9cm角の柱を垂直に切断できる丸ノコはなかなかないので、自分で丸ノコを調達できない場合、知り合いの大工さんにお願いするなりする必要があると思います。
(4)劣化を防ぐためには防腐剤は多めに
今回使用した2×4材や杉材は軟質な木で、そのままでは長く良い状態を保つことはできません。
そこで、防腐剤として定評あるキシラデコールを塗布しましたが、長く使うことを考えると標準の2回よりも多めに塗る必要があると思いました。
1回の追加で3回塗ったところ、塗装の感じがだいぶしっかりしたようでした。
キシラデコールの会社では、1回目の塗りましは2年後、その後は5年毎の塗りましが必要と説明しているようです。
色々調べてみると、1回目の塗りましが、その後の寿命に大きく関わってくるようなので、2年後にしっかり塗りまししたいと思います。
4 まとめ
実質21日、足掛け7か月かかってしまい、釣りに行く時間も削られてしまいましたが、仕上がりをみるとつくづく作って良かったと思っています。
床断熱して、薪ストーブを焚きながらのテント生活をとても楽しみにしています。
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